万博開催が決まり、IR（Integrated Resort：カジノなどの遊興施設を含んだ商業施設）の誘致が予定されている大阪で、今後需要が見込まれる土地の長期貸借を中心に、利点や問題点をまとめました。

大阪の土地活用・土地貸しに向いている人

貸し出すと収益が上がる立地に土地を持っている人

「都心部」「駅に近い」「人口が多い」「商業施設が近い」など、評価の高い場所に空いた土地を持っていると有利です。
なお、「郊外」「駅から遠い」「人口が少ない」のような条件のよくない土地でも「太陽光発電」「資材置き場」などに転用して収益を上げることが可能です。

長期間、土地を貸し出せる人

「一般定期借地権（50年以上）」「建物譲渡特約付き借地権（30年以上）」「事業用定期借地権（50年未満）」など、「借地借家法」で規定されている借地期間は長期にわたります。

期間中、土地を使う予定のない人が地主に向いています。

相続税対策をしたい人

「土地貸し」で土地の評価額を下げて相続税を安くすることもできますが、所得税や消費税、固定資産税は支払わなければなりません。

さらに

「土地活用」とひとくちに言っても、土地や建物を貸す方法をはじめ、その方法はさまざま。土地活用で失敗しないためには、所有している土地の条件や目的に応じたパートナーに依頼することが大切です。

そこで当サイトでは、土地活用に対応している大阪の企業をニーズ別に紹介しています。各ニーズの実績が豊富な会社を取り上げているので、大阪で土地活用を検討している方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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大阪の土地活用・土地貸しにおける特徴

そもそも「土地貸し」とは

「土地貸し」とは、土地を貸して利益を得る土地活用。土地を借りた人が建物を建てて利用し、月々、地代を支払います。

「土地貸し」と「テナントビル経営」との違い

「土地貸し」に似たものに「テナントビル経営」があります。「テナントビル経営」は自分が持つ土地に自社ビルを建てて貸し出すこと。「土地貸し」の場合は、土地の所有者は土地を貸し出すだけで、建物は借地人が建てます。

借地権について

「借地権」とは、土地の持ち主から土地を借りる権利で、次のようなルールがあります。

• 土地の権利は地主、建物の権利は借地人にある
• 借地人は地主に地代を払う
• 借地に建てた建物は地主に無断で売却できない
• 建て替える時は事前に地主へ連絡しなければならない
• 契約期間満了時には、更地にして地主に土地を返還

土地を買って建物を建てるよりも制約が多いのが特徴です。

 

大規模再開発事業で繁華街の形が変わる

2025年に万博が開催されることになった大阪市内では、大規模な再開発事業が進んでいます。

主な再開発事業は7つです。

• うめきた2期
• 中之島エリア
• 御堂筋エリア
• 難波エリア
• 大阪城公園エリア
• 天王寺・阿倍野エリア
• 臨海部エリア

これらのエリアには、新しい商業施設やオフィスビルなどができるので、人の流れや商圏が激変する可能性があります。

 

土地需要を激変させる鉄道の新設・延伸

万博の開催地になった大阪では、鉄道の新設や延伸が数多く計画されています。

大阪メトロ中央線の延伸

大阪メトロコスモスクエア駅から、万博開催地の大阪メトロ夢洲駅までの区間。2024年度開業予定。

開業する新駅：夢洲駅

大阪メトロ長堀鶴見緑地線の延伸

大正駅から鶴町までの区間。開業時期や新駅については未定。

大阪メトロ今里筋線延伸

大阪メトロ今里駅から湯里六丁目まで。開業時は未定。

開設される新駅：中川2丁目・大池橋・杭全・今川2丁目・中野町・湯里6丁目

京阪中之島線の延伸

京阪中之島駅から大阪メトロ九条駅（JR西九条駅）まで延伸。

駅や開業予定は未定。

JR桜島線の延伸

JR桜島駅から新桜島駅へ、咲洲まで延長する計画で、開業予定は未定

開業する新駅：舞洲

大阪モノレール延伸

大阪モノレール門真市駅から近鉄奈良線瓜生堂駅までの区間で5つの駅を設置、2029年度開業予定

開業する新駅：（名称未定）・門真南・鴻池新田・荒元・瓜生堂

JR・南海電鉄「なにわ筋線」の開業

JR大阪駅（うめきた駅）からJR難波駅（南海新今宮駅）までの区間で2031年に開業予定。

開業する新駅：中之島駅・西本町駅・新難波駅（いずれも仮称）

阪急「なにわ筋連絡線」開業

JR大阪駅から阪急十三駅までの区間で2030年代に開業予定。

駅数は現時点で未定

阪急「新大阪連絡線」開業

阪急十三駅からJR新大阪駅までの区間で2030年代に開業予定。

駅数は現時点で未定

延伸先に新しい商業施設が建つことも多いので、再開発計画について詳細なリサーチが必要です。

大阪の土地活用・土地貸しにおける相場

地域格差が激しい大阪の地価

ここでは、令和4年の公示地価をもとに、大阪府で上位5位の地価の高いエリアをランキングにしました。

第1位　大阪市北区 　1㎡あたり平均　2,999,470円

第2位　大阪市中央区　1㎡あたり平均 　2,919,711円

第3位　大阪市西区 　1㎡あたり平均　1,077,619円

第4位　大阪市天王寺区 　1㎡あたり平均　630,500円

第5位　大阪市福島区 　1㎡あたり平均　613,466円

参照元：土地代データ　大阪府の市町村地価ランキング：https://tochidai.info/osaka/

再開発事業が集中しているエリアの地価は高い傾向。エリアによって価格の差が激しいことがわかります。

大阪の土地活用・土地貸しのメリット・デメリット

大阪で土地貸しをするメリットとデメリットを比較します。

大阪で土地貸しをするメリット

初期投資が少なく安定収入となる

土地の所有者は土地を貸し出すだけ。アパートやマンション、テナントビル経営のように、建物を建てる必要がありません。少ない初期投資で長期間経営。月々安定した借地料が得られるのが魅力です。

相続税が節税できる

土地を貸し出しているため、相続の時には評価額が下がり、それにともなって相続税額を下げることができます。

再開発で収益が高まる

大阪市内の再開発事業が行われている地域や、鉄道の新駅が開設される地域では、地価が上がります。そのため、賃貸料を高く設定することができます。

大阪で土地貸しをするデメリット

解約が難しい

「借地借家法」で借地人は保護されています。地主より立場が強いため、地主の同意のない契約期間中の途中解約は難しいです。

賃貸料を値上げしにくい

長期契約になるので、賃貸料は一度契約してしまうと、値上げが難しいデメリットがあります。

再開発の影響で収入が減る

再開発事業が行われていないエリアでは、長期的に地価が値下がりする土地が出ます。収入が減るケースもあることを覚えておきましょう。

大阪の土地活用・土地貸しで失敗しないためのポイント

土地の将来性を見極める

大阪の再開発事業の多くは、万博が開催される2025年頃に竣工する予定ですが、2025年以降も続く再開発事業や、開業時期が未定の鉄道延伸計画もあります。

賃貸料は、立地や競合者の数、景気などに左右されやすく、一度決めてしまうと値上げが難しいもの。貸し出す前に十分なリサーチを行うことが「土地貸し」で成功する重要なポイントです。

大阪の土地活用・土地貸しのパートナー選び

大阪で「土地貸し」で成功するために必要なパートナーをピックアップしました。

長期予測ができるデベロッパー

大阪では、万博開催・IR誘致・大規模な再開発など、賃貸料を左右するイベントが多く、土地の立地によっては、大きく影響を受けることになるでしょう。
土地の将来性を見越した土地活用で成功するためには、マーケティングにたけた調査能力の高いデベロッパーを、パートナーとするのがおすすめです。

技術力の高いゼネコン

「借地借家法」では、土地を借りて建物を建てた借地人は、地主の了承がなければ、建物の建て替えができないと定められています。

定期的な建物のメンテナンス、建物の老朽化への対応など、技術力の高いゼネコン（総合建設会社）のサポートが不可欠です。

長期的な関係を築ける管理会社

土地の賃貸は「借地借家法」で規制されていて、事業用定期借地権で10年以上50年未満の借地期間があります。その間、トラブルが起きた時にアドバイスしてくれるような、しっかりした管理会社を選びましょう。

「土地貸し」は、借地人と数十年に渡る長期間借地契約を結びます。解約は容易ではありません。建物の補修、老朽化などによる賃料の値下げなどの、さまざまなトラブルに柔軟に対応できるパートナーが必要です。

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