狭小地の土地活用法にお悩みの方に向け、ここでは選択肢の1つとしてマンション建設をご紹介しています。
一般に、マンション建設をするには比較的広い用地が必要とされますが、土地の条件次第では狭小地でのマンション建設も十分に可能。メリットとデメリットを踏まえつつ、狭小地の活用法としてマンション建設も検討してみましょう。
お持ちの狭小地が駅近なら、賃貸マンションの経営も有効な土地活用法の1つになります。
狭小地か広い土地かにかかわらず、駅近という場所の最大のメリットは「利便性」です。通勤や通学はもちろんのこと、駅近であれば、一般的には日常的な買い物にも不便がありません。
仮に敷地が狭かったとしても、物件に住居として最低限の機能があるならば、駅近のマンションに魅力を感じる方は多いでしょう。結果、マンションの安定経営につながる可能性が高くなります。
「狭小地でも必ずマンションを建てられる」というわけではありませんが、マンションを建てられる条件が整っている狭小地であれば、マンション建設は有効な土地活用法の1つになるでしょう。
改めて「狭小地」の意味を確認しておきましょう。
不動産用語として狭小地という言葉はよく目にしますが、狭小地には厳密な定義があるわけではありません。ただし、一般的には20坪以下(66㎡以下)の土地を狭小地と呼ぶ傾向があります。
また、単に狭いだけではなく、やや変わった形状になる傾向があることも狭小地の特徴です。
多くの狭小地は、広い土地から正方形・長方形の土地を利用した結果、利用しにくい余った部分として生まれます。そのため、狭小地は三角形や台形などの変わった形状となったり、狭い路地を通らなければ土地に至らない旗竿地になったりすることがある、ということです。
面積的にも形状的にも使いにくいことから、狭小地の坪単価は周辺より安くなることもあります。
使いにくい狭小地とは言え、条件次第では鉄筋コンクリート造のマンションを建てることも可能です。条件とは、容積率や建ぺい率です。 容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の比率。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の比率です。
容積率にも建ぺい率にも地域により制限がありますが、仮に容積率200%を認められている地域の場合、狭小地であっても5階建てくらいのマンションを建てることは可能です。
また、防火関連の条件や地域の条件を満たしている物件であれば建ぺい率10%を緩和できることもあるため、該当するマンションはさらに階数を増やせる可能性もあります。
「狭小地だからマンション建設はできない」と最初から決めつけるのではなく、容積率等の条件からマンション建設が可能かどうかをリサーチしてみるようおすすめします。
先にも触れましたが、もしお持ちの狭小地が駅近であれば、マンション建設で土地活用するメリットが十分にあります。立地上の利便性から、マンションの安定経営につながる可能性があるからです。
ただし、駅近という利便性をアピールするならば、ファミリー世帯ではなく単身世帯に向けたワンルームマンションがおすすめ。ファミリー世帯の場合、駅近ではなくても広い空間で快適に暮らしたいというニーズも高いため、窮屈な狭小地のマンションを選ばない可能性があるからです。
日本の人口は減少傾向にありますが、一方で未婚率が増加傾向にあることから、単身世帯も増加傾向となっています(※)。単身世帯は利便性の高いマンションを好む傾向があることから、たとえ狭小地であっても駅近のマンションであれば、高いニーズを集め続けられる可能性があるでしょう。
狭小地にマンションを建築する主なデメリットは、建設費用が割高になることです。
狭小地のマンションで収益性を確保するためには、なるべく階数を多くして部屋の数を増やすことがポイントになります。階数が多くなれば、それだけ建築の手間もかかることから、工事費用が割高になることは避けられません。
また、収益性確保のために狭い部屋を多く設けた場合、部屋の数だけキッチンやバス、トイレなどの設備を設ける必要もあります。この点も建設費用が割高となる要因になるでしょう。
なお、建設費用を節約するため、鉄筋コンクリート造のマンションではなく木造モルタルのアパートを選択すると、強度の問題から階数を高くすることができません。結果として部屋の数が少なくなり、かつ各部屋の家賃もマンションより割安になるため、狭小地でのアパート経営は選択肢から外れるでしょう。
建築時の割高なコストの回収を考えれば、やや投資効率が悪くなることが狭小地のマンションのデメリットと言えます。