所有している土地を有効利用させる「土地活用」にはさまざまな方法があります。始める前に成功例を確認しておくと失敗するリスクを防ぐアパート経営や駐車場経営、太陽光発電など、土地活用を成功させるポイントを7つご紹介します。
アパートの賃貸経営を成功させるポイントは「市場調査」と「収益シミュレーション」です。
市場調査では世帯数や世帯構成員数、周辺のアパートの入居状況、人口動態、家賃相場、間取りなどをあらゆる視点から徹底的に調べ、調査結果をもとにどのくらいの家賃収入が見込めるのかを計算します。収入だけではありません。修繕費用やアパート管理費、運営管理費、減価償却費といった経費の計算も必要です。アパートは築年数が下がる可能性があることや空室対策も頭に入れておきましょう。アパートに向いている場所は駅から徒歩圏内、大学や企業が近くにある場所などです。
不動産にかかる固定資産税や都市計画税、不動産事業の収益にかかる所得税などの税金も発生します。
管理会社選びも重要です。過去の実績や担当者の対応を見ながら複数の会社から比較して信頼できる会社を選びましょう。
アパート経営で安定した収入を得るには数年かかります。長く事業がおこなえるように丁寧にプランを立てましょう。
駐車場経営は月極駐車場とコインパーキング経営の2種類です。収益化までの時間が早く初期費用をあまりかけずに始めることができます。成功するポイントは、土地の形状や立地に応じて月極駐車場とコインパーキングのどちらかを見極めることです。
経営を始める前に土地周辺の車の流れを確認しましょう。コインパーキングに向いている場所は駅前や商店街、商業施設の周辺、観光地など、月極駐車場に向いている場所は飲食店が近い場所や住宅街、オフィス街などです。
月極駐車場でアスファルト舗装をする場合、経費がかかります。駐車場にするために建物を取り壊すと住宅用地の軽減措置が受けられなくなり、固定資産税が高くなってしまいます。コインパーキングは、立地によっては業者の収益が見込めないかもしれません。素人ではどちらが適しているのかの判断が難しいので、地元の不動産会社や駐車場業者に確認するといいでしょう。
戸建てのニーズを理解することが成功するコツです。戸建てはアパートに比べると家賃収入は少なくなりますが、集合住宅よりも入居期間が長くなるケースが多いため安定した収入を得ることができるでしょう。
戸建てをそのまま貸し出すと経費は抑えられますが、突然設備が故障するかもしれません。急な出費も考えておく必要があるでしょう。リフォームして貸し出した場合は入居者が見つかりやすいですが、建物によってはリフォーム箇所が多くなり想定外の出費が発生して賃料で回収しきれない可能性もあります。
戸建ては集合住宅よりも家賃が高めです。家賃が高くても戸建てを選ぶのには理由があります。戸建てのターゲットはファミリー層やペット飼っている人、騒音による周辺へのトラブルを避けたい人などです。単身者や家賃を少しでも抑えた人は戸建てを求めていないかもしれません。入居者を募集する場合はニーズを考えて物件を紹介しましょう。
高齢者向け施設を経営するには適した設備を導入しなければならず、建築費などの初期費用が必要ですが、高齢化が進んでいるため需要が高いと言えます。
高齢者向け施設経営のメリットは、固定資産税や不動産取得税の軽減や控除が受けられること、補助金も活用できます。デメリットは広い土地が必要で投資額が数億円になることもあります。高齢者向け施設に向いている場所は景観やアクセスが良い場所です。
高齢者向けの施設経営を成功させるためには、パートナー選びが重要です。さまざまな知識やスキルが必要になるため、専門的なスキルを持ったパートナーと組めば成功する確率が高くなります。質の高い介護サービスを提供している、継続的な運営が期待できるなど、実績があり信頼できるパートナーを選びましょう。
状況によって、介護報酬の引き下げを理由にパートナー会社から賃料の減額を要求されるかもしれません。その点も考えたうえで経営に取りかかってください。
太陽光発電は一定以上の広さがあり、日当たりの良い土地であれば太陽光パネルを設置して電気を売り収益を得ることができます。農地の場合は農地転用の許可を農業委員会に申請しなければなりません。ただし、営農型太陽光発電(農地に支柱を立てて設置し下で農業をおこなう)の場合は一時転用で設置することができます。太陽光発電に向いている場所は、電力会社が電気を買い取りしてくれるエリアです。
太陽光発電を成功させるには、「定期的なメンテナンス」と「利回りのシミュレーションをおこなう」ことです。
太陽光発電は電気の生産量によって収入源が左右されます。故障すれば高額な修繕費用が必要になるため、定期的なメンテナンスを実施して支出を抑えましょう。
太陽光発電で生産された電気の買取り価格は年々下がり、設備価格は以前より安くなり発電効率がアップしています。状況を見ながら利益が出る方法を確認してみましょう。
トランクルームを利用する人は利用期間が長いため、更地や土地にコンテナを1つ設置すれば始めることができ、初期費用があまりかからず収入も安定しています。
トランクルーム経営を成功させるには「トランクルームを自分で設置して管理は業者に委託する」「業者に土地を貸し出してトランクルームの設置・管理を委託する」の2つの方法があります。
トランクルームの経営をおこなうには集客方法や需給調査、利用者選定、料金設定などさまざまな情報を取得しなければなりません。初心者が自力で情報を得えようとしてもどこから入手すればよいのか戸惑ってしまいます。専門業者を活用して情報を取得する方が早いでしょう。
国土交通省による仮設建築物の監視が強化されているため、基準に従ってトランルームの経営をおこないましょう。土地によっては条件をクリアできないケースもあるようなので注意してください。
借地契約とは事業をおこなっている会社に土地を貸し出して収入を得る方法で、貸し出す相手はコンビニやビジネスホテル、ジム、飲食店などを経営している事業会社です。メリットは「事業用定期借地契約」のため契約更新がなく、契約期間は最短10年から最長50年まで(※)、契約期間満了後は更地で返還されます。
事業用定期借地契約は、土地活用契約期間が長いため土地を貸し出した会社が倒産する可能性があります。倒産すれば地代の回収や原状回復は困難、自分で解体費用を負担することになるでしょう。
成功するには「事業会社選び」が重要です。土地所有者向けに土地活用を提案しているホテルやコンビニ、事業会社が委託した土地活用会社からの募集などの情報を集めておきましょう。契約をする前に信頼できる会社なのかをしっかり調べてから契約期間を決めてください。
※参照元:土地活用の成功例!活用事例から成功のコツや田舎の土地活用について解説(https://ieul.jp/column/articles/42957/)
アパート経営には 「市場調査」と「収益シミュレーション」、太陽光発電は「定期的なメンテナンス」と「利回りのシミュレーション」など、土地活用を成功させるにはそれぞれ成功するコツが異なります。専門業者に委託する場合は実績があり信頼でき対応が丁寧な業者に依頼しましょう。わからないことがあれば、アパート経営ならハウスメーカーや工務店、税金のことなら税務署など専門家に相談するといいでしょう。土地活用を始める前にはしっかり情報収集をしておくことも忘れないでください。